
主人公の限界を何度も引き上げた「最強の壁」、進清十郎の魅力を語り尽くします!
『アイシールド21』には、主人公の所属するチーム「泥門デビルバッツ」のメンバー以外にも魅力的なライバルが数多く登場します。
その中でも、物語の最初から最後まで主人公・小早川瀬那の前に立ち続けたのが王城ホワイトナイツのラインバッカー、『進清十郎』です。
進は「高校アメフト史上最強のラインバッカー」と呼ばれる実力者です。
さらに才能に甘えず鍛錬を積み続ける「努力する天才」でもありセナに初めての挫折を味わわせ同時に「勝ちたい」という気持ちに火をつけたのも進でした。
セナの成長物語は、進の存在なしには語れません。
一方で機械を触れば壊し人を顔ではなく筋肉で見分けるという天然な一面もあります。このギャップも進が長く愛されている理由のひとつですよね。
この記事では、進清十郎のプロフィール、スピアタックルからトライデントタックルへの進化、物語での役割、名言、名場面までをまとめて解説します。
※本記事は原作単行本(全37巻)、TVアニメ(全145話)、2024年の読切『BRAIN×BRAVE』の情報をもとに作成しています。
進清十郎の基本プロフィール
まずは進の基本データを整理します。
進清十郎のプロフィール
- 所属:王城高校2年/王城ホワイトナイツ(卒業後は王城大学へ進学)
- ポジション:ラインバッカー(LB)※攻撃陣形「巨大弓(バリスタ)」ではランニングバックも兼任
- 背番号:40
- 身長・体重:175cm・71kg
- 誕生日・血液型:7月9日・AB型
- ベンチプレス:140kg
- 40ヤード走:4秒62 → 4秒4前後 → 4秒2
- 声優(TVアニメ):郷本直也
「努力する天才」と呼ばれる性格
進を一言で表すなら「求道者」です。
場所や時間を選ばず練習を欠かさず食事も決まった時間に必要な栄養だけをとります。焼き肉屋での打ち上げですら必要な分を食べ終えたらそれ以上は一切口にしません。
言葉も建前や本音ではなく「事実だけ」を語るタイプで悪気なく図星を突いて相手を固まらせる場面は、読んでいて思わず笑ってしまいます。
感情をあまり表に出さず、アメフト部に入るまで特別親しい友人もいなかったとされています。
だからこそ、厳しくも目をかけてくれた庄司軍平監督に深く感謝していて監督の理論を誰よりも信じている選手でもあります。
筋肉で人を見分ける天然ぶりと機械音痴
進は人を顔ではなく「筋肉」で判別します。
そのため、アイシールドで顔を隠していたセナの正体を即座に見抜きました。ところがセナがアイシールドを外した時や桜庭が坊主頭になった時には、何が変わったのかわからなかったそうです。
鋭いのか鈍いのかわからないところが進の面白さです。
そして忘れてはいけないのが機械音痴ぶりです。
作中やおまけ漫画で進が壊した機械
- 部の備品のビデオカメラ(肝心なシーンが撮れていない)
- 携帯のGPS(富士の樹海で遭難。本人に自覚なし)
- 自動販売機(数万円を弁償)
- 東京大会のMVP賞品だった高価なノートPC
- ドイツ合宿所のエレベーター(他の部員が毎日階段を使うはめに)
- 港の自動改札(合宿に間に合わず部活の皆勤を逃す)
壊しても「機械の調子がおかしい」くらいにしか思っていないのが進らしいところです。
ただ、皆勤を逃したことだけはかなり気にしていたそうでストイックな性格がここにも出ています。
進清十郎の能力:スピアタックルと「光速の世界」
結論:進の強さは、片腕で相手を仕留めるスピアタックルと努力で40ヤード走4秒2まで到達したスピードの組み合わせにあり、作中で最も大きく成長したキャラクターのひとりと考えられます。
必殺のスピアタックル
進の代名詞が「スピアタックル」です。
並外れた腕力とスピードで片腕を槍のように突き刺してタックルします。
離れた位置からでも正確に届き、この一撃で負傷退場したり戦意を失ったりした選手も少なくありません。
物語開始の1年前には、泥門との練習試合で助っ人選手2人の骨を折ったことが語られています。
初登場時点で「とんでもない相手」という印象を植えつけるには十分なエピソードでした。
進化形「トライデントタックル」
秋季大会で進が完成させたのが「トライデントタックル(三叉槍タックル)」です。
完成までの過程がまた進らしい。
進はタックル直前の急加速を磨き続け、あと一歩のところまで来ていました。そこで西部ワイルドガンマンズの甲斐谷陸にチェンジ・オブ・ペース走法「ロデオドライブ」のコツを教えてほしいと頼みます。
高校最強とまで言われる選手が他校の選手に頭を下げて教えを乞う。強くなるためなら体面を気にしない姿勢がカッコいい。
トライデントタックルは、槍タックルにロデオドライブの走法を加え相手の左右の逃げ場をなくした強化版です。
名前のとおり、三叉の矛のように逃げ道を塞ぎます。
関東大会1回戦の茶土ストロングゴーレム戦(王城106-0)で初披露され泥門戦では泥門の攻撃を連続で止めました。
ただし、帝黒アレキサンダーズの大和猛だけは倒しきれず前進は止めたものの押し返されたとされています。
進と互角と評される大和の強さも伝わる描写です。
4秒4から4秒2へ:「光速の世界」への到達
『アイシールド21』では、40ヤード走4秒2がNFLのトップ選手に並ぶ「光速の世界」として描かれます。春の時点で4秒4前後、いわば「音速」だった進は、秋季関東大会までに4秒2へ到達しました。
さらに遡ると中学時代の記録は4秒62でした。
そこからの伸び幅は作中でもトップクラスで、その裏には、富士山での高地トレーニングに代表される過酷な自主練習があります。
アイシールド21に勝つ為、才能に恵まれた選手が誰よりも努力を重ねて限界を超えていく。
進の成長は、そのまま「努力する天才」という異名の証明になっています。
対照的に「努力しない天才」として描かれる金剛阿含が進の才能を認めて試合を視察に来るほどだった、という点も見逃せません。
物語での役割:セナの成長を映す「鏡」
進は、春の初対決でセナの闘争心に火をつけ秋の再戦で自らが敗れることでセナの成長を読者に証明する「鏡」のようなライバルだと考えられます。
春季大会:セナに初めて抜かれた日
進が本格的に登場するのは、春季大会2回戦の泥門デビルバッツ戦です。
進はスピアタックルでセナを何度も叩きつぶし高校アメフト界最高クラスの実力を見せつけます。
しかし試合終盤、セナの中に「進を抜きたい、勝ちたい」という気持ちが湧き上がります。
そしてラストプレーでセナは光速の走りで進を振り切りタッチダウンを奪いました。
試合は68-12で王城の圧勝です。
それでも進にとってセナは「最速だった自分を初めて振り切った相手」として強く意識する存在になります。
セナにとっても進は超えるべき壁になりました。ここがふたりのライバル関係の原点です。
秋季関東大会準決勝:42-40の決着と初めての笑顔
秋の王城は、関東大会準決勝の泥門戦までタッチダウンを一度も許していませんでした。
さらに進が攻撃にも加わる陣形「巨大弓(バリスタ)」も完成し、まさに「王城ホワイトナイツ」過去最強の布陣です。
4秒2に到達した進は、一度はセナの光速の走りを破り泥門を追い詰めセナに絶望を植え付けます。
しかし試合は残り1秒のラストプレーまでもつれ、「進清十郎VS小早川セナ」でセナとの最終決戦を迎えます。結
果は泥門42-40王城。
進は敗れました。
そしてこの時、いつも険しい表情だった進がセナに向かって「最高のライバルに出会ったと」作中で初めて笑顔を見せます。
ここはシリーズ屈指の名シーンだと思っています。
王城の仲間たちとの関係
進を語るうえで、王城のメンバーとの関係も欠かせません。
桜庭春人は、中学からの同級生で進を特別扱いせず対等であろうとした人物です。進との才能の差に苦しみアイドル活動を辞め坊主頭になって秋季大会に臨みました。
大田原誠は、進に負けず劣らずの天然で進に対しては、パワーの面でライバル視しています。
高見伊知郎は王城のQBでバリスタの司令塔です。
庄司軍平監督は、王城ホワイトナイツの監督で進の師です。練習の厳しさから部員が離れていった時、進は監督の正しさを自分の力で証明すると誓いました。
W杯編と大学編:ライバルから仲間へ
W杯編では、セナとモン太の推薦で全日本選抜に選ばれ阿含や筧らとラインバッカー陣を組みます。
決勝のアメリカ戦では、トライデントタックルで相手の攻撃を止める活躍を見せました。
しかし途中で膝を負傷し葉柱ルイと交代します。
終盤に復帰した際には、試合をつないでくれた葉柱をねぎらいました。かつて敵同士だったふたりが同じチームで戦う姿は、長く読んできた読者へのご褒美ですよね。
個人的には、アメリカ戦でクリフォード・D・ルイスに3枚目の「ブリッツ(電撃突撃)」でトライデントタックルを決める描写がシビてました。
最終回では、桜庭・大田原とともに王城大学に進学しています。
さらに連載21周年記念の読切『BRAIN×BRAVE』で、大学アメフトの舞台で炎馬ファイアーズのセナと再び激突しました。
進のトライデントタックルとセナのデビルバットゴーストがぶつかる展開でふたりのライバル関係が今も続いていることが示されています。
進清十郎の名言・印象的なセリフ
進のセリフは、飾らず事実だけを語るぶん、努力への信念とライバルへの敬意がまっすぐ伝わってくるのが魅力だと考えられます。
※セリフは原作の趣旨をもとに要約しています。正確な言い回しはぜひ原作でご確認ください。
スピードとパワーについて(2巻・9th down「パワーの世界」)
進のタックルで止められない相手などいない、と言う大田原に対して進は「触れることすらできないスピードの前では、どれほどのパワーも意味をなさない」という趣旨の言葉を返します。
最強のパワーを持つ進自身がスピードの怖さを誰よりも理解している。
のちにセナが登場することを予告する見事な伏線になっています。
「光速の世界」の壁について(3巻・18th down「光速の世界」付近)
セナの走りを前に進は人間の限界点について語ります。
40ヤード走4秒4が音速の世界なら4秒2は光速の世界であり、「そこにはそれほど高い壁がある」という内容です。
この「光速の世界」という言葉は、作品全体を貫くキーワードになりました。
そして最終的に進自身がその壁を越えていく展開は、何度読んでも胸が熱くなります。
決着を誓う言葉(25巻・217th down「PERFECT PLAYER」付近)
4秒2に到達した進は、セナの前に立ちはだかり「お前を倒すための半年は何十年にも感じるほど長かった。すべての戦いに決着をつけよう」という趣旨の言葉を投げかけます。
寡黙な進がここまで感情をにじませるのは珍しく進にとってもセナがどれほど大きな存在だったかがわかるセリフです。
庄司監督への誓い(25巻・218th down「進清十郎」)
過去編で、自分の指導に悩む庄司監督に対して中学時代の進は「監督の指導は間違っていない。どれだけ過酷な練習でも課してほしい。監督の30年が正しかったことを自分が力で証明してみせる」という趣旨の言葉で応えます。
進のストイックさの原点がここにあります。
進にとって努力は、自分のためだけでなく恩師の正しさを証明するためのものでもあったんですね。
食事へのこだわり(焼き肉屋での打ち上げ)
王城と泥門のメンバーが焼肉大食い対決をしてる中、焼き肉屋の外でセナに対して進は、必要な分はすでに摂取した「本物の肉体を作るなら栄養管理は欠かせない」という趣旨のことを語ります。
真顔で言うからこそ面白い進らしさが詰まった一言です。
連載21周年記念の読切『BRAIN×BRAVE』
炎馬ファイアーズとの試合後に進がセナに送ったセリフ「更なる高みに必要なものは『最適解』を凌駕する勇気だ」と言うAIの導き出す最適解を超えると言う今回のテーマに合った名セリフになります。
まとめ:進清十郎
進清十郎のまとめ
- 王城ホワイトナイツのLB、背番号40。「高校アメフト史上最強のLB」「努力する天才」と呼ばれる
- スピアタックルから甲斐谷陸に教えを乞うてトライデントタックルへ進化させた
- 40ヤード走は4秒4前後から4秒2の「光速の世界」へ到達
- 春にセナに初めて抜かれ、秋の関東大会準決勝で42-40で敗れて初めての笑顔を見せた
- W杯では日本代表として共闘し大学編の読切『BRAIN×BRAVE』でもセナと再戦した
進清十郎は、主人公の前に立ちはだかる最強の壁でありながら誰よりも努力を重ね最後にはライバルとの出会いを喜べる人物でした。
セナの物語を読み返す時は、ぜひ進の視点からも追いかけてみてください。

